Imeglimin-日本・アジア

独自の作用機序を有する2型糖尿病の画期的な新治療薬候補

Imeglimin

第Ⅰ相臨床試験

Poxel社で最も開発が進んでいる新医薬品候補化合物であるImegliminは、新作用機序を有する糖尿病治療薬であり、日本において第Ⅲ相臨床試験が終了しています。本剤は、グルコース応答性のインスリン分泌促進とインスリン抵抗性の改善という二つの作用機序を有する、これまでに存在しなかった唯一の経口投与薬であると考えています。これらの作用により、Imegliminは糖尿病の進行を遅らせ、既存の糖尿病治療薬では十分な効果が得られなくなった患者に対して新たな治療の選択肢を提供できる可能性があると期待されています。また、既存の治療薬との併用療法でも効果を発揮し、心血管性リスク因子を低下させる可能性も期待できます。ミトコンドリアは細胞のいわば発電所であり、その機能障害は2型糖尿病の病態生理と関連していることが示唆されています。そのため、ミトコンドリアを標的とすることで、Imegliminは2型糖尿病の病態生理に大きくかかわる膵臓、筋肉および肝臓に同時に作用することが可能となります。これまでにImegliminは、28の臨床試験で評価され、米国、欧州および日本において400名の非糖尿病患者と1,800名の2型糖尿病患者に投与されてきました。Imegliminは各試験で高い忍容性を示し、プラセボに比べHbA1cやその他の血糖パラメーターを統計学的に有意に低下させることが認められています。

日本においては、パートナーである大日本住友製薬株式会社とともに、Imegliminの有効性と安全性を評価する第Ⅲ相試験(TIMES試験:Trials of Imeglimin for Efficacy and Safety)を2019年12月に完了しました。このプログラムは、約1,100名の2型糖尿病患者を対象として、Imegliminの有効性と安全性を評価する3つの主要な試験から構成されています。日本における製造販売承認申請は、2020年の第3四半期に行う予定です。

日本で行ったImegliminの第Ⅲ相TIMES試験

主要な3つのTIMES試験において、Imegliminは単剤療法、またはインスリンや国内で承認されている既存薬との併用療法で、HbA1cを低下させることが示されました。大日本住友製薬株式会社は、Imegliminの製造販売承認申請を2020年第3四半期に提出し、2021年に発売することを目指しています。

Poxel社は、Imegliminの国内開発と製品化に向けて、パートナーである大日本住友製薬株式会社とともに、第Ⅲ相臨床試験3本を含むTIMESプログラムを2017年10月から日本で開始しました。TIMESプログラムは、以下3つの第Ⅲ相臨床試験から構成されており、それぞれの試験で、Imeglimin 1000mgを1日2回投与しています。

TIMES 1 試験

2019年4月に、TIMES1試験のトップラインの結果として、主要評価項目と副次評価項目の両方を達成したことを発表しました。TIMES 1。この無作為化、二重盲検、プラセボ対照、単剤投与試験は、213名の日本人2型糖尿病患者を対象とした試験で、Imeglimin 1000㎎を24週間にわたり1日2回24週間経口投与しました。

TIMES 2試験

TIMES 2試験は、714名の日本人2型糖尿病患者を対象として、Imegliminの長期安全性と有効性を評価した52週間、非盲検、並行群間比較試験であり、2019年12月にそのトップラインの結果を発表しました。この試験においては、Imeglimin 1,000 mgを1日2回、既存の血糖降下薬の併用下または単剤で経口投与しました。非盲検でプラセボを対照としていないTIMES2試験では、以下の図に示したとおり、複数の既存の血糖降下薬にImegliminを追加治療薬として使用した場合、HbA1cはベースラインから0.92~0.12%減少しました。

Imegliminは、特に2型糖尿病日本人患者の80%に処方(2016年度IQVIAデータ、2016年度 NDBデータ)され、日本で最も使用されているDPP-4阻害剤と併用した場合に高い有効性が認められています。

TIMES 3試験

2019年6月に、TIMES3試験の二重盲検治療期間(投与16週間)ののトップライン結果を発表しました。TIMES 3試験は、215名の日本人2型糖尿病患者を対象として、インスリン併用時のImegliminの有効性と安全性の評価を目的とした、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験でした。この試験においては、インスリン治療で血糖コントロールが不十分であった日本人患者を対象として、インスリン併用下でImeglimin 1,000 mgを1日2回経口投与した患者群とインスリンとプラセボを投与した患者群を比較しました。

本試験では、Imegliminの全体的な忍容性はプラセボと同程度でした。また、治験実施計画書の規定に基づくImeglimin投与群の低血糖発現率は、固定用量のインスリンを投与されたプラセボ群と同程度でした。重篤な低血糖発現例は認められず、報告された大多数の低血糖の事象は中等度でした。また、Imegliminの有害事象プロファイルはプラセボと類似したものであり、TIMES 1試験のImeglimin単剤療法試験やその他のImegliminの試験の結果と一貫していました。

2019年11月に、TIMES3試験における非盲検治療期間(36週間投与)のトップライン結果を発表しました。非盲検治療期間では、TIMES 3試験の16週間部分を完了した208名の患者を対象として、インスリンと併用した場合のImegliminの有効性と安全性を評価しました。。以下の図で示されているように、非盲検治療期間において、HbA1cのベースラインからの減少率(平均値)は、Imegliminとインスリンを52週間投与された患者(16週間試験および36週間長期投与試験の両方においてImeglimin+インスリンを投与)では0.64%、Imeglimin+インスリンを後半の36週間のみ投与された患者(16週間試験でプラセボ+インスリン投与、36週間長期投与試験でImeglimin+インスリン併用療法投与)では0.54%でした。

日本の糖尿病領域の市場

Decision Resources社によると、日本の糖尿病領域市場は米国に次いで世界で二番目に大きく、2008~2012年の年平均成長率は18%以上であり、2023年までに20%以上に達すると予想されています。現在、日本の糖尿病人口は推定1,000万人以上であり、糖尿病領域の市場は2020年までに40億ドル以上に拡大することが見込まれています。日本政府が国民健康増進のための10カ年計画の中で、糖尿病を対象疾患として特定していることもあり、新しい画期的な治療薬が積極的に使用されていることから、この市場の拡大傾向は続くものと見込まれます。

中国の糖尿病領域の市場

IQVIA社によると、2017年時点で中国における2型糖尿病患者の人口は約1億1200万人であり、毎年1.7%増加していくと予測されています。中国市場における2型糖尿病治療薬の売上げは、2017年時点で約30億ドルであり、そのうちの50%を経口薬が占めています。中国でImegliminが承認されれば、同剤の大きな市場となることが見込まれます。

Poxel社は、中国において、現在欧米の治療薬を使用している約2,900万人の糖尿病患者のみならず、多くの慢性腎臓病患者に対しても、Imegliminは貢献できる可能性があると考えています。中国の国家政策のもと、より多くの2型糖尿病患者が早くこの治療薬にアクセスできるようになることを期待しています。大日本住友製薬株式会社は、同社が権利を有する中国、東アジア、東南アジア各国において、Imegliminの開発戦略および日本や他国で得られたデータの活用についても各国の規制当局と折衝する予定です。